Team Sunset Cellars

2つの世代がつなぐワインへの想い

Wine Startup


創業者で現ワイン・メーカーであるダグラス・スパークスとカツコ・スパークス夫妻がサンフランシスコ・サンセット地区にある自宅ガレージで「SUNSET CELLARS」を創業したのは1987年。ワイナリーを起業するまで、ダグラスは半導体が盛んな時代のシリコンバレーで働くテクニカル・コンサルタントでした。アメリカでは自家消費目的のワイン醸造が合法的に許可されており、夫妻は長年の間、自宅のガレージで趣味のワイン造りを通して独学で発酵醸造学を学びました。夫妻は50歳を越えた時、リタイアメント・プロジェクトとしてワイナリーの創業を決意します。オークランドの「Rosenblum Cellars」に弟子入りして修行し、本格的な醸造工程を学んだあと、自分たちの目指す「フルーツ本来の果実味の最大化」というテーマに取り組むため、自宅ガレージで「SUNSET CELLARS」を創業しました。生まれた環境や、それまでの経験・年齢に関係なく、自らの夢や目標に向かって楽しみながら挑戦を始める姿勢は、シリコンバレーに流れるガレージ・スタートアップ文化を体現しています。

意思を継ぐ者


創業から20年以上、私達は多くの歴史を積み重ねて来ました。現在のSuisun Valleyにワイナリーを移し、自分たちの育てた葡萄から造られたワインが対外的にも高い評価を受けるなど、何もなかった場所から少しずつ、為すべきことを積み重ねてここまで来ました。しかし人の一生は永遠ではありません。70歳を越えた創業者夫妻の意思と技術を受け継ぎ、SUNSETの味と伝統を広めていく次世代の者がいなければ、これから先の歴史を築き続けることは出来ません。

こんなにも美味しいSUNSETのワインを守り、引き継ぎ伝え、より多くの人に楽しんでもらいたい―。そんな想いから、4人の若い世代のメンバーが立ち上がります。

ソムリエ資格を持つDNA生命科学者のファー、食品事業や経営に関する専門家のミオ、フルスタックなエンジニアとして様々なスタートアップ・プロジェクトを立ち上げてきたキョウスケ、広告業界のエンジニアとして働いた経験からマーケティングやメディア戦略に精通するタカコ。メンバーの全員がカリフォルニアの地とワインをこよなく愛し、SUNSETのファンとして味と歴史に惚れ込んだ結果、チームとしてワイナリーに弟子入りし、事業の継承を名乗り出ました。現在はダグラスとカツコを含めた6名で、ワイン造りとワイナリー経営に取り組んでいます。

継承メンバーは全員、それぞれの専門技術や得意分野を持った、ワインメーカーとしては異色の経歴の持ち主です。しかし、その異色の経歴こそがユニークで素晴らしいワインを生み出す原動力になり得ることを、20年前に創業者のダグラスとカツコ自身が証明しました。

革新への挑戦


SUNSETが今まで創り上げた伝統と、若い世代が持ち込む新しい技術や価値観が合わさる時、ワインの世界で新しく挑戦出来る事がたくさんあると私達は考えています。それはIoTを駆使したデジタルで最先端の醸造や熟成の工程管理、品質保持の実現に始まり、古典的なワインの国際物流に関しても解決・改善できる問題が多くあります。たとえば日本でお店で手に入るワインの値段はワイナリーの蔵出し価格の約3-7倍、レストランでの提供価格を考えると、お店で特別な日に1万円以上を出して開けたワインから得られるワイナリーの収益が1000円にも満たないことは一般的です。もちろんコストがかさむのは複合的な原因があり、誰かが利益を独占しているわけでは決してありません。国際輸送や通関手続き、保管、営業、在庫リスクなど、古典的なワイン物流に関しては多くのキャッシュアウトが発生します。一方でワイン造りは一朝一夕どころか、どんなに短くても2年以上の歳月が必要。ワイナリーの売上から膨大な原価や人件費を除けば、そこに殆どの利益は残りません。結果として日本で飲むことができるワインは、希少で高品質な代わりに大変高価なワインか、数を生産して利益を生み出せる大規模なワイナリーのものしか手に入れることが難しい状況です。

私達のチームは各人がそれぞれが日本生まれであったり、日本にゆかりを持つ者たちです。自分たちが愛を込めて造った美味しいワインを、どうにか日本の人達にも楽しんでほしい。一方で、私達の生産規模で従来の方法の輸出をすると日本では大変高価なワインになってしまい、ダグラスの目指す「普通の人でも最高に美味しいワインを気軽に飲んで楽しんでほしい」という想いを実現することは到底できません。そこで私達は日本での小売販売や卸販売を一切行わず、インポーターや代理販売業者を経由せずに、限られた契約飲食店とワインクラブ・メンバーの個人のお客様に「直販」を行うことで、間接コストを極限まで抑えることを実現し、従来では実現できなかった価格で美味しいワインを届けることに挑戦しようと取り組んでいます。

その他にも、いまの時代、いまの技術、いまの物流だからこそできるワインへの挑戦ということが多くあります。私達はカリフォルニアの文化を愛するイノベーターとして、様々な革新に挑戦していきます。

私達のワインはたしかな評価を頂いています

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